研究会について

(社)日本産業衛生学会騒音障害防止研究会は、2009年6月14日の日本産業衛生学会理事会により設置が承認されました。以下に申請の内容を示します。

目的と趣旨

わが国の特殊健康診断において有所見者数や有所見率が最も多いものは騒音による聴力低下である。騒音現場においては発生源の低騒音化や遮蔽はしばしば困難で、労働者に防音保護具の着用を求めている。しかし、防音保護具着用のための職場別の教育・指導方法、耳栓等の防音保護具が劣化する前に交換するための管理法などについては今後の研究が待たれる。

また、近年は、工場の自動化や合理化が進み、騒音職場で労働者が通信機器を使用して相互に連絡する必要が生じており、防音保護具を使用できないことがある。騒音下での使用を想定していない通信機器は遮音性能を有しておらず、強大な通信音を聞かざるを得ない状況になる。ヘッドセットやイヤホン着用耳において平均85dBA以上の騒音にばく露される例もあり、通信機器からの強大音声ばく露によって聴力障害が発生する危険性を排除できない。そのため、通信機器を使用する労働者の聴力低下及びコミュニケーションエラーのリスクを評価する研究も推進する必要があると考える。

さらに、実際の現場では、粉じん、暑熱、有害光線などの有害要因が複合的に存在することが多いことから、労働者が多種類の保護具を着用しながらも、相互の連絡を良好に図る方法も将来的には検討する必要があると考えている。

「騒音障害防止研究会」では、わが国の労働現場にこれらの課題があることを認識し、必ずしも法令に規定された騒音職場の労働者に限定せずに労働者の騒音障害防止に関する研究課題を広く推進する。当面の検討課題としては、(1)防音保護具着用指導のためのガイドラインの策定、(2)通信機器による騒音障害防止のためのガイドラインの策定、を目指すことを目的として活動を行いたいと考えている。これらの成果は、学術的に公表するほか「騒音障害防止研究会」のホームページを開設して、広く社会に還元することを目指したいと考える。

世話人(◎代表世話人、50音順、2016年10月更新)

◎井上仁郎

伊藤昭好、川波祥子、近藤充輔、佐久間卓生、佐々木直子、篠宮真樹、竹澤公子、筒井隆夫、伝田郁夫、中尾智、堀江正知

発起人(21人、50音順、2009年申請時の所属)

安部  健 ミドリ安全株式会社安全衛生相談室
伊藤 昭好 産業医科大学 産業保健学部 安全衛生マネジメント学
井戸田 望 自衛隊呉病院
井上 仁郎 産業医科大学 産業医学研究支援施設 生体情報研究センター
掛井 真純 三菱化学メディエンス株式会社 中央総合ラボラトリー
川瀬 洋平 三菱化学株式会社 人事部健康開発センター
川波 祥子 産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学
近藤 充輔 産業医科大学 産業保健学部 安全衛生マネジメント学
佐々木 直子 三菱ふそうトラック・バス株式会社 総務・労政部
佐藤 教昭 産業医科大学 産業医学研究支援施設 生体情報研究センター
篠宮 真樹 興研株式会社 所沢テクノヤード
新見 亮輔 株式会社IHI 呉事業所
塚田 月美 パナソニック電工電路株式会社 健康管理室
筒井 隆夫 黒崎播磨株式会社 安全環境防災部
伝田 郁夫 スリーエム ヘルスケア㈱ 安全衛生製品 技術部
中尾  智 株式会社アルバック 人事部 健康推進室
永野 千景 株式会社クボタ 筑波工場
那須 幸平 株式会社日立製作所 笠戸事業所
橋本 晴男 エクソンモービル有限会社 医務産業衛生部
堀江 正知 産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学
宮村 欣裕 産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学

事務局

産業医科大学  井上 仁郎