第25回騒音障害防止研究会(無事終了いたしました)

第25回騒音障害防止研究会
会 場:現地、オンライン開催
参加無料、事前申込不要
日 時:2022年5月26日(木)11:00~12:00
内 容 :特別講演
「聴覚保護具JIS改正について -正しい選択と着用法-」井上 仁郎井上音響リサーチ
 防音保護具のJIS規格である「防音保護具」T8161が令和2年4月25日に改定され、以下の規格となった。(新JISと呼ぶ)
T 8161-1 聴覚保護具(防音保護具)ー第1部:遮音値の主観的測定方法
T 8161-2 聴覚保護具(防音保護具)ー第2部:着用時の実効A特性重み付け音圧レベルの推定
 大きな変更点としては、今までは「防音保護具」という用語が使用されていたが、「聴覚保護具」に変更となった。遮音性能表示は、旧JISでは、第1種・第2種耳栓という2通りの分類があったが、これは廃止され、新JISでは、オクターブバンド、HML、SNRの3種類の遮音値をdB表示したものになった(例えば、SNR 25という表示)。
 着用者が聴覚保護具を着用することによって、実際にA特性重み付け音圧レベルで何dBのばく露をうけているかを推定できるようになった。推定を行うために、遮音性能の他に必要な情報は、オクターブバンド法では騒音のオクターブバンド分析結果、HML法では騒音の作業環境測定結果(dB A)と騒音のC特性重み付け音圧レベル(dB C)が必要となる。SNR遮音性能の場合は、騒音のC特性重み付け音圧レベル(dB C)が必要だが、条件が合えば、騒音の作業環境測定結果(dB A)が代用できる場合もある。
 着用者がA特性重み付け音圧レベルで何dBの曝露をうけているかを予測できれば、対象騒音職場の騒音環境において、使用者が適切な遮音性能の聴覚保護具を選択可能になる。
講演では、評価法は簡易であるが実用的であるSNRの解説を中心にし、旧JISと新JISの相違点を解説し、騒音職場でのSNRの活用に必要な、聴覚保護具の正しい選択と着用法、着用指導法、交換時期、等を分かりやすく解説した。
参加者数 50
講演資料  
https://drive.google.com/file/d/1nr4P_ixdWw3_4Us7IA7Tqhp0pM5Am0Z5/view?usp=sharing